変容する世界

周世倫監督, 林飛帆氏ここではなし

周世倫監督, 林飛帆両氏の話を記そうと思っていたが、実は本日15日と明日16日の二日間、それぞれ両氏を迎えてルール大学ボーフム東アジア学部(RUB OAW =Ruhr-Universität Bochum
Fakultät für Ostasienwissenschaften )シナ歴史セミナー
で授業と討論が行われる。

読みやすさのため14日の写真を参考にインサートする。

Tuesday, May 15, 2018, 2–6 p.m.
"Die Sonnenblumenbewegung in Taiwan: Werk und Aktivitäten des Regisseurs Chou Shih-lun" (The Sunflower Movement in Taiwan: The Work and Activities of Movie Director Chou Shih-lun) / 臺灣的太陽花運動---導演周世倫的紀錄片與社會運動 (1)

Instructors: Rong Xu-Heinrich and Christine Moll-Murata, as part of their courses "Modern Chinese VII", "Philological Translation" and "Modern History of Taiwan".

Participants will see clippings from the documentary „Taiyang bu yuan“ 太陽不遠 (Sunflower Occupation, 2014, Taipei Documentary Filmmakers' Union [臺北市紀錄片從業人員職業工會]) and will have an opportunity to discuss with director Chou Shih-lun and a student leader during the 2014 occupation of the Parliament (Lifayuan), Lin Fei-fan 林飛帆. See https://www.youtube.com/watch?v=dLs3tDb1WiI.

Location: Room GABF 04/509

DSCF6319S.jpg


Wednesday, May 16, 2018, 2–6 p.m.
"Politischer Aktivismus in Taiwan heute: Chou Shih-luns Dokumentarfilm 'Baomin' 暴民 (Wutbürger/Awakened Citizens)" / 後太陽花運動---導演周世倫的紀錄片與社會運動 (2)

Instructors: Rong Xu-Heinrich and Christine Moll-Murata, as part of their courses "Modern Chinese VII", "Philological Translation" and "Modern History of Taiwan".

Participants will see clippings of a documentary about the consequences of the Sunflower Movement: "Baomin" 暴民 (2016, 唐吉軻德數位影音工作室 / Don Quichote Digital Film Studios): Portraits of ten activists who participated in citizen protests since 2014, to be followed by an interview with director Chou Shih-lun.

Location: Room GB 04/159

DSCF6316S.jpg


わたし自身は授業には参加しないが家内が主催者なのであとで話しをきくつもりです。

その後すぐに日本へ旅発つのでエントリー更新は来月初旬となってしまうでしょう。

楽しみにされていた方が、そういうことはないと思われるが、もしおありになったとすればたいへん申し訳ないことです。

また、公式行事以外の時間で、無駄話のついでにあれこれ貴重な事がらを聞いてはいますがすべてオフレコといたします。

ゆえに面白いハナシはここではなしです(^^♪

あしからず。

ただ両氏の印象についてのべてはおきましょう。

林飛帆氏は、きさくで礼儀正しく人好きのするいかにも好漢というわかもので、報道や映画で見たほど政治指導者のカリスマがただよっているわけではなかった。まさに好青年で年長者に対する礼を保ちながら友人として遇していただいたのでほんとうに気持ちがよかった。

周世倫監督はお会いするのは二度目だが色々おはなしをうかがうのは今回が初め。監督はときに深い思考に入られてしまうので話が弾むという性格でない。ただその大きな画体とにあった重厚な性格である。今月末の台北での再会を約したので次回はもっぱらそのあたりのことを記すことになるでしょう。

両氏は夫人同伴だったので両夫人ともはなせたがこれは当然プライベートな事柄ゆえここには書きません。

DSCF6323S.jpg
討論会会場から望むボーフム市街は真夏の様子














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  1. 2018/05/15(火) 13:30:14|
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周世倫監督, 林飛帆氏、さらには謝志偉駐独大使が参加されたパネルディスカッション

ちょいと寄り道したが、実は一時帰国の出発が迫っているので急いで周世倫監督, 林飛帆氏との会話についてのべたいのだが、しかし公開にはできないことが多く、昨日14日ルール大学ボーフム東アジア学部(RUB OAW =Ruhr-Universität Bochum
Fakultät für Ostasienwissenschaften )主催で行われたパネルディスカッション
について紹介したい。

RUB OAW Taiwan

この討論会には、その前日にドイツ台湾協会年会に招待された駐独大使でおられる謝志偉教授も参加された。

謝大使はルール大学ボーフムへ留学され文学博士号を取得されており、この日は里帰りとも言える。

実は討論会前の立ち話で、謝大使にその立場上から明言できないことを承知である質問をしてみた。

しかし会話の内容の核心は記さない。

~謝大使は、蔡英文総統とお親しいとは思いますが、総統閣下の真意は「XXYZOOXX」ではないでしょうか?

大使は忌憚なく「わたしもそう思う」とおっしゃられた。

わたしは安心した。

参考に2010年のものだが謝志偉教授がご自分の番組《頭家來開講》で蔡英文民進党主席をインタビューしたものを貼る。




謝志偉教授は陳水扁政権時に一度駐独大使に任命されているので、蔡英文総統治世下の今回の大使就任は二度目になる。

討論会は、「台湾の民主化プロセスと独立運動に於ける知識人の役割」をテーマに行われた。

大使はまずご自分の対場を説明された。

大使の名刺にはこう書かれている

Amb Retoure


ドイツ語なのでおわかりにくいかもしれないが、ポイントはこうである。

Taipeh Vertretung in der Bundesrepublik Deutschland(台北駐ドイツ連邦共和国代表所=
のあとに
Amb.
Prof. Dr. Jhy-Wei Shieh
Repräsentant Taiwan

とある。

おきづきだろうか?

Repräsentant Taiwan、とは「台湾大使」ともとれるし、また「台湾代表」ともとれる。

また、「Amb.」だが、普通に考えるなら「Ambassador」の略だ。

以下は大使御自身の説明である。

~天気が良く気分の良い時は「Ambassador」と読める、
~天気が悪く、しかし気分が良い時は「Ambitious」(野心的)と読む、
~天気が悪く気分も悪い時は「Ambulant」(外来患者)としか読めない。

つまりあなた次第でどうにでも読んでください、ということらしい(^^♪

Repräsentantが複合的含意をもつのと同様だ。

しかもTaiwanとはあるがどこにもChinaの文字面がない。

しかし裏面には漢字で「中華民国(台湾)駐独代表所大使と記してある。

謝大使のお話しの要点はこのあたりに尽きてしまったようだ。あとはほぼ付け足しである。

DSCF6322S.jpg
周世倫(左二), 謝志偉(中),林飛帆(右)各氏

謝志偉大使の部分でかなりかせいでしまったので、周世倫、林飛帆両氏の話は後回し(^^♪


<続く>




  1. 2018/05/15(火) 12:37:10|
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鄭文堂監督の『 眼淚』が暗喩と寓意で語る「移行期正義」について

前回お伝えした通り、周世倫監督, 林飛帆氏が来独された。

ドイツ台湾協会(德國台灣協會 Taiwanverein in Deutschland e.V.)とルール大学ボーフム東アジア学部(RUB OAW =Ruhr-Universität Bochum
Fakultät für Ostasienwissenschaften )の招きに応じたものだ。

ドイツ台湾協会の年会が12日デュッセルドルフ市において挙行され、その前夜祭として市内某有名映画館にて鄭文堂監督の『 眼淚』上映会がRUB OAWとの共催で行われた。

Tears.jpg

日本では知られていない監督と作品だろうか?

ほぼ10年近く前の作品だが、今でもアクチュアルなテーマである「轉型正義」(Transitional Justice)が寓意的に語られていて鑑賞後の感想はあくまで重い。

今回は、周世倫監督, 林飛帆氏についてふれる前に、この映画について語っておきたい。

まず鄭文堂監督は、民進党系のインディーな映画監督である。一時(2010年から約三年間)出身地である宜蘭県の文化局局長を務めたがその後また映画に復帰している。

日本に亡命し、『台湾人四百年史』を著し「独立派」から深い尊敬を受けている史明氏についてのドキュメンタリー映画を撮影したことでも知られている。

鄭文堂監督とはおおよそ以下の動画のようであるらしい。



実は、今回の台湾協会の年会には鄭監督が招待されており、お会いしてお話しをうかがうのを大いに期待していたのだが監督のご都合でキャンセルとなったのが惜しまれる。

さて『眼涙』だが、その前に「轉型正義」についての理解が必要だろう。日本語では「移行期正義」と訳されるそうだが、そういわれてもやはりわかりにくい。

以下の記述が助けになるかもしれない。

<引用開始>
移行期正義

Transitional Justice in Conflict and Post-Conflict Societies

解説:池田光穂
移行期正義(いこうき・せいぎ、Transitional Justice)とは、紛争(戦争・内戦を含む) 期あるいは紛争後の社会における法の支配において、過去の大規模な人権侵害とその結果に対して折り合いをつける社会の試みの過程と仕組みの総体のことをい う。より簡潔に言えば、紛争が終結した後に、かつての政治指導者や軍事組織の指導者や実行者の審理と処罰について、おこなわれる正義の実践のことである。

移行期正義においては、以下のような社会的過程がみ られる:(1)刑事訴追、(2)真実委員会または公聴会の実施、(3)補償、(4)制度改革、(5)公的謝罪、(6)記念物、追悼集会、博物館(出典:http://bit.ly/1G4BkJv)
かつては、内戦合意などの政治的和平交渉のプロセス において、紛争期の戦闘行為に関する責任は包括的に免責するという規定がしばしばみられたが、ここで問題になるのは、さまざまな人権侵害事案である。とり わけ軍隊の中に秘密諜報組織を持つ場合、治安維持の目的でしばしば超法規的処刑がなされており、十分な証拠記録が残されない場合がある。また刑法では法律 不遡及の原則(=法が施行される以前にまで遡って刑の適用を回避する原則)や罪刑法定主義(=犯罪の処罰には予め立法によりその犯罪や行為に対する刑罰を あらかじめ定めなければ罪に問えないルール)があるために、想定もされなかったタイプの人権違反や犯罪を罪に問い難いという法制度上の問題もある。それゆ え、紛争中の(反乱軍事組織を含む)軍の治安維持機能には、必然的に構造 的暴力が生じるゆえんである。

そのために、人道主義の概念に照らし、人権侵害とそ の結果に対して、社会が適正な処罰をおこない、あわせて調停・和解(reconciliation)をおこない、社会が維持する正義の機能を修復しなけれ ばならない――これらを包括して修復的司法(しゅうふくてきしほう, Restorative Justice)と呼ぶ。
<引用終了>

TJ Taiwan


今、台湾でこの問題が提起されているのは、2016年の総統選挙及立法院選挙において国民党が敗退し民進党の全面勝利となったからだ。そして清算されるべき過去とはほかでもない228事件とそれにつづく白色テロであり、その時代において実行された人権侵害について経過と真相の確認、実行者の追訴と処罰、被害者とその家族への謝罪と賠償および名誉回復、追悼記念を求める広範な民衆の期待があるからだ。

「轉型正義」は、国民党により強権を用いて奪われ、または不法だが巧妙な手段によりだまし取られた国と国民の資産を元の持ち主に帰せという要求、すなわち「黨產歸零」(国民党が不当に取得した資産を清算する)という言葉と共に、蔡英文総統が進める改革の2本の柱である。

この改革を徹底的に実行することにより国民党は無力化され、そして恐らくは、また願わくば、でもあるが中華民国は消滅する。

国民党不当取得資産処理は、李登輝総統が提起したもので、陳水扁時代にも推進されたが立法院多数を占める国民党の反対と妨害により進捗せず、馬英九時代にはほぼ無内容化されてしまった。

蔡英文総統時代が始まるとただちに《政黨及其附隨組織不當取得財產處理條例》という特別法を成立させ、行政院には「不當黨產處理委員會」が設けられ、45年以来の不当取得された政党資産についての追求が行われている。

そういう民衆の声を反映しているのがこの『眼涙』である。

しかし映画は暗喩と寓意で「轉型正義」を語っている。

あらすじはこうだ。

離婚して独り暮らしの老刑事の郭は高雄のうらびれた木賃宿に住んでいる。これも年老いた犬だけが唯一の相棒だ。彼はかって無実の人をでっち上げで犯人にしたてた過去を持つ。
退職をひかえたころ、若い女の麻薬過剰摂取による死亡事件の裏に大きな闇を感じ取った郭は、死亡した女の友人だったある女学生を執拗に追求するものの上部や同僚による妨害に会う。
一方、郭はボランティアである老女の入った施設の清掃を行っている。そしてその娘である小雯が檳榔西施(ビンロー売り子)として勤める店も常にチェックしておりひそかにサポートもしている。
ある日、郭は施設で小雯と鉢合わせしてしまうが、なぜここにいるのか、という小雯の問いに郭は答えることができない。
小雯の父こそが郭が犯人にでっちあげたその人であり、そのショックで小雯の母は廃人となってしまったことを告白した郭に対し、小雯は商売柄いつも持参している失明の危険性さえある防犯ガスを復讐のため吹き付けた。
朦朧とした郭の脳裏には美麗島駅の華麗なイルミネーションがきらめくのだった・・・・・

Lao Kuo

主人公の老郭を演じるのは、『多桑』で「トーさん」を演じて強い印象を残した蔡振南。

そして監督の娘である鄭宜農が小雯を演じている。

小雯の同僚を、ソニック (ChthoniC、閃靈樂團)のリーダーである葉湘怡〔Doris〕が演じて脇役ながらきらりと光っているのはさすがだ。

Doris.jpg
左から鄭宜農、Doris、蔡振南


腹にずっしりと重くもたれるテーマであり映画であるから、「轉型正義」に興味のある方々だけに勧める映画である。

なお、全編ほとんどが台湾語(閩南語)で語られ、英語のタイトルしかないので北京語学習者には薦められない。

また、高雄の裏街の荒涼とした光景は昔のナポリを想起させられ、個人的に大好きな雰囲気の映画でありました。



DVDがどこかに出品されていたら即買、なんだけどなあ~(^^♪














  1. 2018/05/15(火) 09:28:17|
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プロフィール

丸山光三

Author:丸山光三
世界は変容する。変容させようとする力が作用するからだ。しかし、かってにそうはさせまいとする吾等の力を示そう。世界はやつらのものではなく、けっきょくは吾等のものであるべきだからだ。

イザ・ブログ消滅にともない<丸山光三或問集(旧マルコおいちゃんのヤダヤダ日記)><アムゼルくんのブログ>を吸収合併。

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