変容する世界

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

家族の場所




ギンズブルグの『ある家族の会話』には、その家族だけでつうじる言葉についての描写がありました。


 


ある親密な共同体、たとえば家族のようなものですが、おのずと言葉にしなくてもつうじる物事があります。それは隠語や符牒のようなもので理解しあえる言語環境がかもし出される、ということでしょうか?


 


家内の家族では、ある季節、すなわち晩春の一時期なのですが、そのころになると、誰からともなく「あの場所(der Ort)は、どうなっているだろうか?」、「あの場所へいってみよう」と語りはじめるのが常となっています。


 


その場所とは、家からはかなり離れた別の街の郊外にある森の、そのまたはずれにある、ある斜面なのです。


 


そこは小さな桃園なのですが、そこを訪れる目的は、桃の花でも実でもありません。


 


そこは南向きの緩やかな斜面になっていて、四月になると、桃の花も散り、桃の木の下にさまざまな野草がいっぱいに咲きそろうのです。


 


なかでも、「Sclüsselblume」(鍵の花)といわれる、辞書では「サクラソウ類の花」「プリムラ」などとでていますが、どうも全然ちがうものにしか思えない、その野草が豊富に咲きそろうのです。いちど、だむエリちゃんにささげたあの花です。


 bc5c41fdjpeg




















































亡く
なった義父が、とくにこの花を愛で、その季節になるといても立ってもいられず、その場所へと赴き、大好きなブルックナーを口笛で奏でながら、まるで少女のように嬉々としてその花を手折って小さなブーケを作り、そしてそれを義母に大げさな身振りで捧げる、ということをしておりました。


 


いまはそれも思い出、その共通の思い出が、また家族を結びつける絆にもなっているのです。


 


義父が亡くなってからは、あまりそこへ出かけることもなくなりました。もういない人の思い出に哀しくなるせいかも知れません。


 


この復活祭の日曜日、誰からともなく、「あの場所はどうなっているだろう?」「行ってみようか?」という話がでて、そして数年ぶりに、その場所へそろってでかけることになりました。


 


その場所は、その場所のようにあるべき形をしてわれわれを迎えてくれました。


 d23d6381jpeg




















































われわれ家族はその場所にすわって語り合い、共通の思い出を胸にしながら、午後の長い時間をすごしたのでした。


 7e9ef587jpeg




















































義父の亡くなったときはまだ幼く、その記憶もうつろな豚児も、なぜかその場所が気に入ったようで、一人でながいことその場所で遊んでいました。



その場所が、われわれ家族にとっての「アルカデイア」ということを、知らずに感じ取っていたのでしょうか・・・・?



1cbd7fb9jpeg










 

 
























































スポンサーサイト
  1. 2007/05/06(日) 20:42:32|
  2. 春の花々
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:22

みちこさんへ


シクラメンというと、すぐに小椋桂の≪シクラメンのかほり≫を思い起こす世代としては、この花には特別な、しかし抽象的な思い入れがあるものです。



あのころは、特別な社会状況で、といっても特別でない社会状況などあるはずもありませんが、たとえば新宿西口広場のファーク・ゲリラが規制されて、西口通路となってからも、柱の陰で自作の詩集を売る少女、なんてのも見られたものでした。



小椋桂の唄には、そのころの雰囲気が染み付いていてなんだか鬱陶しく、今はまったく聴くこともありません。



それは惨めだった自己の「青春」時代を思い出したくない、という思いもこもっているのでしょうか?しかし、明るく爽やかで幸福にみちた青春なんてものがあったら、ぜひ拝見したいものです。



そのもっと以前に
TVでいわゆる「青春物」が流行って、泥だらけのいかにも汗臭そうな体育系が、「これが青春だ!」なんて叫んだりしていたものです。ああやだやだ。



それに比べれば、小椋桂の唄はまだまだ甘さがあるものの、少しはナイーヴなセンチメンタリスムがあって、それなりに受けていたように思います。



ところで小椋桂ってご存知?



まあいいや、本題はシクラメンでした。



この春に撮影した野生のシクラメンを紹介しようと書き始めて、ずいぶんと余計なことをしゃべってしまったようです。



あしからずお許しください。以下の写真がそうです。


あなかしこ



マルコ軽薄(敬白の誤りか?)







花はかなり小さく、せいぜいが2センチ弱というところでしょうか。この花を、みちこさんに捧げます。





  1. 2007/05/05(土) 22:01:24|
  2. 春の花々
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:19

Aya ちゃんに捧ぐ



Liebe Aya chan,




新学期も始まりお忙しい毎日かと思います。


 


あなたの文章を読むと、いつも知らずと哀しみがあふれ、野辺にひそかに咲く野草を想います。


 


義姉は野草摘みが好きで、彼女が可憐な花々を嬉々として手折るのを見るたびにこころが痛むわたしは、なにもいいませんが、そっと咲かせておけばいいのにと、いつも思います。


 


彼女は決してひどい人ではありませんが、ヨーロッパ人の常か、あくまで人間中心主義なのです。


 


しかし菜食主義者で、動物にたいする愛惜の念は充分もちあわせているのに、植物にたいしては残酷です。彼女にいわせれば、「だって、動物とちがって、植物に意識やココロはないでしょう」とのことです。


 


あたしたち日本人は、ちいさな虫の音や、草花にたいする慈しみをもつ文化を有しています。仏教で言う、「一切衆生悉有仏性」の考えは、彼女はどうにも理解してくれないようです。


 


そんな文化意識で欧州に住んでいると、傷つけられることも多いということがおわかりになるでしょう。


 


 


さて、文章によっては語りつくせぬほどの悲しみを、いったいどうすればいいのでしょう?


 


音楽や絵画で表現できる才をもった方々は幸せです。それらも言語表現ではあるのですが、文章に書き表すのとちがって、思考そのものに直面することがありません。



いわば無意識層で問題を処理することができるのですから。


 


いかに多くの人々が、その苦しみや哀しみを表現することなく、自分の中に抱え込んだまま生を終えていくことでしょう。


 


しかしあまりの重さをもつこころの負担は、やはりなんとかして言語表現化して自分の外にだしてやらなければなりません。


 


≪集合無意識≫(Das kollektive Unbewußte)とは、C.G.ユングの創出した概念ですが、人が共通にもつという無意識のことです。それあらばこそ、人と人は理解しあえるものなのだと思います。


 


書いた文章の意が、うまく他人につたわるという保障はありません。でも自分のためだけでも書いてみる意義を有する事もありますよね。あなたも、もうとうにおわかりのことと思います。


 


最後に、野辺で見つけた野草をあなたに捧げます。ではお元気で。次の文章を楽しみにしています。




4181e783.jpeg










Wisenschaumkraut



  1. 2007/04/30(月) 21:28:14|
  2. 春の花々
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:10

アネモネさんに



今の時期は、林の下ばえに野生のアネモネが見られます。


 3ae33653jpeg


















































c48cd02djpeg



















































これは、園芸用のアネモネとはちがい、アネモネ原種のひとつ、



アネモネシルベストリスでしょうか?



 


http://nature3.fc2web.com//html/20060506anemone_shirubesutorisu.htm


 


 


白くて小さい可憐なアネモネがいっぱいに咲いている風情は、ひそやかさに毅然とした美しさを秘めていて、清清しい女性コーラスを聴くような思いがします。


 928c2334jpeg


 


































この花を、いつも秀逸なエントリーで反日ファシズムを撃ち続けるアネモネさんに捧げます。万感の尊敬と応援の意をこめて。




  1. 2007/04/14(土) 07:29:24|
  2. 春の花々
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:12

田舎の庭先




義母が独りで住む家の庭は、いつも綺麗に手入れがほどこされ、季節ごとの花々が咲いているので、訪問するのが楽しみです。


 

af44528ajpeg































今は、まだ薔薇には早く、目につくものといえばチューリップですが、こんなものもあります。


 

52c774f9jpeg


 


 


 


Traubenhyazinthe(ラテン名、Muscari comosum)です。


 


Traubenは葡萄、Hyazintheはヒアシンス。名前の通りの形をしていますね。これはさすがに日本ではあまり見かけないでしょう?ねえ、ひよさま?


 


 


ドイツ人の園芸熱は高く、庭のもてない家庭用に、行政単位が集合菜園を貸し出してもいるのです。50平方メートルほどに区切った敷地に、借り手が思い思いに小屋を建てたり、野菜や草花を植えて楽しみとしています。


 


週末にその小屋に寝泊りする人もいるようです。


 


義母はその父から贈られた菜園をもっていましたが、今はもう長女夫婦に譲ってしまいました。二つの庭の手入れはさすがに一人では大変ですからね。後で、紹介しましょう。


 


 


また、連邦園芸祭(Bundesgartenschau)という行事が、毎年各都市もちまわりで開催され、かなりの入場者を集めるそうです。いわば園芸の「国体」みたようなものでしょうか?


 


 


さてTraubenhyazintheですが、こちらでは家庭用だけではなく、公園でも、この時期にはよく見られる草花です。やはり園芸用のものでしょうか、野道や森では見かけません。


 


多年草で毎年同じ場所で花開きます。


 Traubenhyazinthe.JPG


 


 


























この一輪を、ひよさまに捧げましょう



  1. 2007/04/13(金) 00:32:50|
  2. 春の花々
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:15
次のページ

プロフィール

丸山光三

Author:丸山光三
世界は変容する。変容させようとする力が作用するからだ。しかし、かってにそうはさせまいとする吾等の力を示そう。世界はやつらのものではなく、けっきょくは吾等のものであるべきだからだ。

イザ・ブログ消滅にともない<丸山光三或問集(旧マルコおいちゃんのヤダヤダ日記)><アムゼルくんのブログ>を吸収合併。

ついでに忍者ブログの<ドイツ生活ああだこうだ事典>もこちらへ吸収合併凹凸

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

台湾チャンネル (40)
未分類 (10)
メーソン (32)
思考実験 (5)
ビッグ・ブラザー (3)
啓蒙思想 (3)
近代化 (5)
国家とは (11)
裏金洗浄 (2)
雑感 (113)
シナ秘密結社 (5)
China(シナ) (117)
台湾 (84)
トルコ (6)
シナ語 (105)
欧州の反応 (35)
シナ(Sina) (25)
博士の独り言 (5)
お知らせ (40)
Sina, 『劇場都市』 (7)
エトランゼ (7)
おいちゃんの薦める音楽 (138)
イタリア (30)
ドイツ (41)
言論の自由 (8)
魯迅 (30)
工芸 (4)
雑学 (7)
開高健 (3)
森有正 (1)
インド (2)
須賀敦子 (2)
イスラム世界 (1)
シナの食人文化 (25)
共同トイレの落書き (54)
東アジア情勢 (11)
安全保障 (73)
地政学 (8)
周恩来評伝 (47)
夢千一夜 (108)
ピッグ・トレード (4)
阿Q列伝 (2)
大室幹雄の宇宙 (6)
指定なし (24)
南チロル (10)
産経 (1)
安倍総理 (217)
気晴らし (18)
無能無責任宰相 (2)
シナ人流出 (3)
半島 (4)
毒吐きシナ (8)
政局 (58)
シナ政局 (53)
欧州政局 (13)
言語論 (1)
ユング (21)
風水 (2)
写真撮影 (25)
シナの救済 (40)
ケム・トレイル (8)
シンクロニシティ (5)
陰謀論=共同謀議 (45)
習近平 (31)
海角七号 (6)
中共異端思想 (11)
ゲルマン史 (3)
ウイグル (1)
世界観 (10)
花々 (258)
チャリンコ (1)
ただの風景 (479)
撮影機材 (31)
goo ブログ保存 (14)
ユーロ問題 (19)
TPP (48)
サッカー (2)
Midnight in Paris (3)
小雪 (1)
野鳥 (3)
変容する世界 (4)
別加油、「中国」 (4)
フォトNews (9)
西村幸祐 (94)
藤井聡 (147)
西田昌司 (81)
テキサス親父 (16)
総選挙12 (14)
水間政憲 (15)
カタストロフィー (2)
田中長徳 (1)
北野幸伯 (4)
第二次安倍内閣 (42)
自民党 (12)
中野剛志 (3)
青山繁晴 (232)
首相官邸 (79)
反日ファシズム (28)
三橋貴明 (58)
古谷圭司 (8)
宇都隆史 (4)
佐藤正久 (9)
えとうせいいち (9)
倉山満 (22)
長尾たかし (6)
艾未未 (1)
たかじん (83)
TVタックル (21)
とくダネ (1)
新唐人TV (93)
長島昭久 (1)
我が国のかたち (12)
チャンネル桜 (122)
コリア (3)
阿比留瑠比 (1)
PRIMENEWS (10)
甘利明 (2)
勝谷誠彦 (53)
藤井厳喜 (14)
平沼赳夫 (2)
皇室 (1)
中山成彬 (2)
中川郁子 (2)
山谷えり子 (3)
立花孝志 (1)
アベノミクス (3)
中山恭子 (3)
やしきたかじん (15)
新報道2001 (13)
西村眞悟 (3)
麻生太郎 (6)
西尾幹二 (4)
上念司 (21)
藤岡信勝 (3)
菊池英博 (1)
荒木和博 (2)
安倍昭恵 (2)
いわゆる歴史問題 (22)
宮崎正弘 (1)
外務省 (2)
佐藤優 (51)
黄文雄 (2)
宮崎哲弥 (53)
安達ロベルト (2)
青山千春博士 (1)
長谷川幸洋 (11)
西部邁 (6)
参院選2013 (32)
関岡英之 (1)
福島香織 (7)
菅義偉 (5)
拉致問題 (2)
映画 (6)
竹田恒泰 (2)
石井望 (2)
尖閣問題 (1)
宮脇淳子 (8)
アンカー (5)
坂東忠信 (1)
2020 東京 (3)
東谷暁 (2)
NHK (1)
飯田泰之 (1)
佐藤守 (3)
潮匡人 (5)
イザ (4)
山本皓一 (1)
赤池誠章 (1)
dameda Korea (1)
井上和彦 (1)
KAZUYA (3)
ロシアの声 (1)
野口裕之 (1)
施光恒 (1)
消費税増税 (3)
Amsel (30)
Rotkehlchen (30)
Zaunkönig (6)
Kohlmeise (6)
Blaumeise (5)
Elster (5)
Kanadagans (6)
Schwanzmeise (7)
Buchfink (5)
Bläßhuhn (1)
Ente (8)
Teichhuhn (1)
Grünspecht (2)
Buntspecht (4)
Wacholderdrossel (2)
Heckenbraunelle (2)
Ringeltaube (3)
ChemTrail (3)
Bauernhof (1)
昆虫 (6)
Gartenbaumläufer (1)
露出 (8)
ドイツ食事情 (19)
Star (3)
Waldbaumlaeufer (1)
大室桃生 (3)
夢想千一夜 (7)
ドイツ民俗 (16)
Südtirol (22)
Objektiv (1)
TVドラマ・映画 (1)
Katze (1)
豚児 (6)
UFO (3)
Grauschnäpper (1)
Stieglitz (1)
Grünling (6)
Stumpfmeise (1)
Sperling (1)
モスレム (3)
アムゼルくんの薦める音楽 (1)
Kleiber (2)
Eichelhaeher (1)
Kernbeißer (1)
α NEX (12)
Messersucher (5)
Nikon (5)
Heidelberg (9)
女子カメ (1)
ポートレート (2)
Flickr (5)
Kunst (4)
春の花々 (6)
言語生活 (6)
推薦音楽 (6)
余暇 (5)
未選択 (5)
居住環境 (3)
食の地平線 (5)
探鳥記 (14)
渡邉哲也 (6)
桜井よしこ (2)
デプレッション (1)
石平 (4)
菅原出 (4)
有本香 (16)
村田春樹 (1)
高橋洋一 (2)
富坂聰 (2)
百田尚樹 (2)
反新自由主義 (1)
飯田浩司 (1)
余命3年時事日記 (1)
田母神としお (9)
奥山真司 (3)
都知事選 (21)
歳川隆雄 (1)
Yoko (1)
辛坊治郎 (2)
福山隆 (1)
上島嘉郎 (1)
杉田水脈 (3)
三宅博 (4)
山田宏 (3)
通名 (1)
馬渕睦夫 (2)
マック赤坂 (1)
伊藤貫 (1)
田母神俊雄 (1)
小西克哉 (1)
小川和久 (1)
BBAの部屋 (1)
城内実 (1)
激論!コロシアム (1)
いしゐのぞむ (2)
上薗益雄 (1)
村上春樹 (1)
魏德聖 (9)

ブロとも一覧


E-ラボ

青革の手帖

いざにゃFC2版

なめ猫♪

車好き隠居

特亜を斬る

ジャーナリスト加賀谷貢樹の「取材ウラ話」

高原でお花見

裏の桜の雑文

博士の独り言

短足おじさんの一言

初期装備は ひのきの棒

立ち寄り@大工町

よもぎねこです♪

実業の世界

ときど記

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。