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Sebastião Salgado、アナログの波動・続編

あとからふと考えたのは、Salgadoはいかにもデジタル臭い画質を避けアナログに近いイメージを選択した、あるいは画像に修正を加えアナログ風の味を出した、のではないか、ということだった。いわば「アナログの波動」といったものを感じるのだ。

作家それぞれの立場や思想があるわけで、Salgadoにとっては長年親しんだアナログのイメージにこだわりがあった、ということか。
いずれにせよそれは憶測に過ぎない。

帰宅後、懸案であったWim Wendersが製作監督したSalgadoについての映画『Das Salz der Erde』のDVDを購入して鑑賞してみた。

これはSalgadoの遍歴と現況、抱負や理想を撮影する光景とインタヴューなどで構成した作家の全貌を捉えようとする試みだった。

わが国では『セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター』などという奇妙なタイトルで8月に公開される予定なそうな。





たしかにWenders監督が映画の中で「Liebeserklärung für die Erde」と語っている。それを直訳すれば「地球への愛の告白」となるべきだが婦女子受けがするように意訳したのであろうか?いい大人には足を運びにくいタイトルだ。

『Das Salz der Erde』をそのまま「地の塩」と訳したままの方がよかったと思う。

それは『Genesis』 (創世記)によく対応する聖書の言葉であるからだ。

何があるいは誰が「地の塩」なのだろうか?
Salgadoが写し取ったアマゾンやニューギニアおよびアフリカや極北の原住民であろうし、また撮影者を監督はそう見立てたのかもしれない。

すでに引用したCanon欧州の記事の続きには以下のような部分で締めくくられていた。

His advice to young documentary photographers is, predictably, not technical: “You should have a good knowledge of history, of geopolitics, of sociology and anthropology to understand the society that we’re part of and to understand yourself and where you’re from in order to make choices. A lack of this knowledge will be much more limiting than any technical ability.”

これはSalgado自身による自己の写真撮影にスタンスの説明にもなっている。

「あなたがその一部である社会をまたあなた自身を理解するために、またあなたがどこから来たのかを選択するために、歴史、地政学、社会学そして人類学の知識を持ちなさい。これらの知識の欠如は技術的な能力よりあなたをより多く制限するでしょう。」

学生時代は左翼過激派であったSalgadoには写真撮影に先んじて優先すべきことがあるようである。
『Genesis』を経過したSalgadoにとってそれは環境保護ということらしい。



はたしてそれが写真撮影を生業とするものにとっての正しい道かどうかは知らぬ。
ただSalgadoにとってはそうすべき理由と哲学があるということらしい。

わたし自身に鑑みてそのこと自体はあまり参考にはならないが、Salgadoの為した仕事については万感の共鳴を覚えるし、そして展覧会に展示された作品の細部が甘かろうがそれは些細な問題であると思えるようになったのである。

撮影したデジタル画像処理についてSalgadoは以下のようにCanonの記事で述べている。

「デジタルで撮影したイメージをスクリーンやPCではチェックせず、コンタクトシートにプリントしたものでまずチェックし、必要なら再編集し、よいと選択すればそれを30x40cmの大きさにプリントして再チェックをする。さらに必要とあればネガテイヴも造る。」
なぜなら
「The negatives are so perfect that we can create a digital negative from the physical one and start the whole process again」 
ということらしい。

わたしのかってな憶測ではなかった。

これがSalgadoの作品から感じるアナログの波動の秘密であった。


Gebesis 2








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  1. 2015/07/14(火) 13:12:26|
  2. 写真撮影
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丸山光三

Author:丸山光三
世界は変容する。変容させようとする力が作用するからだ。しかし、かってにそうはさせまいとする吾等の力を示そう。世界はやつらのものではなく、けっきょくは吾等のものであるべきだからだ。

イザ・ブログ消滅にともない<丸山光三或問集(旧マルコおいちゃんのヤダヤダ日記)><アムゼルくんのブログ>を吸収合併。

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