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変容する「中華民国」、民族国家普請中の台湾

5月20日、中華民国第14代総統に蔡英文民進党主席が就任した。

就任式と祝賀セレモニーおよび祝賀宴はそれぞれ台湾報道各社によりインターネットで中継放映が行われた。

ドイツ時間では早朝3時から開始であったので、ライヴで見たのは祝賀宴だけでそれ以外は録画で視聴した。

以下は総統府のYouTubeオフィシャル・アカウントにより配信された録画である。



またFBを通じて台湾のFBFのメッセージも随時うけとることができた。

一部の過激独立派、過激統一派をのぞいて大多数の台湾国民は素直に喜びを表現していた。

それもむべなるかな

台湾国民はとうとう自らの国を建てる端緒についたからである。

表だって言葉にはしないが、蔡英文総統と国民との間には暗黙の了解すなわち「黙契」が存在するからである。

それは、「中華民国」体制の中で「中華民国」を換骨奪胎しいわば「台湾共和国」建国を密かに実行する、ということだ。

これは黙契であるから証明はできない。


台湾国民であればただちに理解できることであるし

蔡英文総統の発言や就任セレモニーにおけるパフォーマンス、就任演説にはいくつかのメッセージが含まれており

国民はそれを確かに受け止めることができたであろう。

520 A

蔡英文総統の就任演説の以下の部分にそれが顕れている。

「私は中華民国憲法に基づいて総統に当選したのであり、中華民国の主権と領土を守る責任があります。東シナ海、南シナ海での問題に対し、我々は争いの棚上げと資源の共同開発を主張します。」
(ラジオ台湾、蔡英文・新総統の就任演説より)
<原文>
「我依照中華民國憲法當選總統,我有責任捍衛中華民國的主權和領土;對於東海及南海問題,我們主張應擱置爭議,共同開發。」蔡英文FBより)


これははっきり言えば言い訳である。

何の言い訳か?

すなわち、総統府中山庁における就任宣誓式において,

中華民国国旗と孫文像の前で宣誓し、さらに「国歌」の初めの部分「三民主義,吾黨所宗」(三民主義は我が党のモットーだ)をうたったことへの、である。

520 B


2015年の双十節(10月10日中華民国建国記念日)において民進党主席としてセレモニーに出席した蔡英文博士は、「三民主義,吾黨所宗」の部分では口を閉ざした。



しかし今回の就任式では二回歌っているのだ。



これは一部の独立派から見れば敵への投降、あるいはかって独立派であった蔡英文博士の変質として攻撃材料になりうる。

そこで「言い訳」も必要になるというものだ。

台湾独立とは言上げするものではなく黙って行うものである。

またわざわざ独立するまでもなく中華民国は台湾における主権独立国家である。

ただ、その國名が「中華民国」であることが問題の核心であるのみである。

英文で「中華民国」は、「Republic of China」、これを素直に和訳すれば「シナ共和国」となる。

1971年の連合国総会で決議された2758号決議(通称アルバニア決議案)は、シナ代表権を「中華民国」に代わって「中華人民共和国」に与えた。「中華人民共和国」は「中華民国」として連合国安全保障常任理事国として連合国に加入し、「中華民国」はそれまでの席次を喪失した。


China.jpg

これゆえに台湾が「中華民国」という國名に固執するかぎり連合国に復帰することは永遠に不可能である。

最も正しい解決法は國名を正名し「中華民国」と1949年に喪失したシナ大陸における統治権を放棄することである。李登輝総統時代の1991年、動員戡乱時期臨時条款を破棄し台湾は共産党との内戦終了を宣言した。これは実質上、大陸における「中華民国」の統治権を放棄し、領土を台湾・澎湖諸島金門馬祖に限ったものである。

しかし馬英九は李登輝総統がせっかく布置した「特殊な国と国との関係」をそれ以前の「一つの中国」へと後退させてしまった。

その悪質な売国政策への歴史評価及び収賄犯罪などの清算はおいおいなされることであろう。

台湾に於ける諸悪の根源「中華民国」と国民党統治のうち国民党についてはほぼ解決した。あとは党産処理をつうじてその自然消滅を待てばよい。

処理が困難なのは「中華民国」である。

これを如何に処理するか、台湾国民は固唾をのんで見守っている。

もちろん国際環境、とくに米シ関係が根本的に重要である。

目下、シナ共産党統治が揺らいでおり政府は内政問題を外交問題により人民の目をそらそうと南シナ海で侵略行為を重ね、周辺各国およびわが国、さらには米国の極東戦略を大きく刺激している。

それゆえ米国も対台湾戦略を変更しつつある。

It’s time to ditch the ‘one China’ fiction and normalize relations with Taiwan
(「一つのシナ」という虚構を溝に捨て台湾との関係正常化をする時だ)

5月18日、ワシントンポストに掲載された記事である。

表題がすべてをものがたっている。

いわゆる「一つの中国」という虚構は、台湾海峡を挟んで「中華人民共和国」「中華民国」それぞれが「中国」の代表権を争っていた時代の名残である。

その虚構性は「中華民国」側により明らかであったゆえに1971年の連合国決議があった。


台灣自己國家自己就


その際、日米両国は最後まで「中華民国」を支持したが負けが決まる段階で、時の蒋介石政権に台湾名義で連合国へ残留するよう建議したのだったが、蒋介石は拒否した。虚構にすがりついたのである。

その態度に乗じて「中華人民共和国」側の「一つの中国」「その中国とは中華人民共和国」と、ここまではそのとおりだが、しかしそこに「台湾は中国の一部」という新たな虚構が造り上げられたのであった。

そしてそれが彼らの台湾侵略併合の野望を「祖国統一」と読み替える根拠となっているのだ。

ゆえに台湾が「中華民国」体制を維持する限り「中華人民共和国」の脅威は絶えない。

であるから台湾の希望は「中華民国」を捨て去るところに存在する。

上記ワシントンポストの記事に倣えば、

It’s time to ditch the ‘Republic of China’ fiction and normalize the name of state as Taiwan.

と、いえよう。

蔡英文総統と台湾国民との「黙契」によって「中華民国」の正名すなわち台湾共和国の建国が粛々と進捗することを期待してやまない。







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Author:丸山光三
世界は変容する。変容させようとする力が作用するからだ。しかし、かってにそうはさせまいとする吾等の力を示そう。世界はやつらのものではなく、けっきょくは吾等のものであるべきだからだ。

イザ・ブログ消滅にともない<丸山光三或問集(旧マルコおいちゃんのヤダヤダ日記)><アムゼルくんのブログ>を吸収合併。

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